2018年12月17日月曜日

別府というカオスな町

 前回、12/6でアニッシュ・カプーアの「スカイミラー」が撤去されると書きましたが、その日にはブルーシートで梱包され、来年のラグビーワールドカップの時期に再公開されるそうです。また、来年の桜開花時期にも公開することを検討していますが、協議中なので決定事項ではありません。
 ブルーシートによる梱包は、警備員を立たせる人件費を節約するためです。今回「スカイミラー」は、レンタルという形で別府公園に設置しており、万一傷がついた場合、責任問題に発展するため、24時間体制で警備員に見張らせておく必要がありました。

 さて、今回は、別府のカオスなところを取り上げていきます。
 湯の町別府には、よそでは考えられないようなカオスな日常が流れています。別府の人には当たり前、けれども他の土地の人から見れば奇異にうつることがたくさんあるのです。

①商店街にソープがある
  別府の駅前の商店街は、自動車の普及と共に郊外化が進む中で、廃れてしまっているのですが、廃墟好きにはある種たまらない場所になっています。中でも特徴的なのが、シャッター街になった商店街のはずれに行くと、煌々と輝く店があり、看板をみてみるとソープなのです。
 別府は、竹瓦温泉のあたりがソープ街になっており、六本木などから不人気のため飛ばされてきたソープ嬢が働いています。そもそもこのソープ街も、商店街の目と鼻の先にあるのです。
 そして、このソープに、車椅子の男性が行列をつくっていることもあります。
 「南映」という成人向け映画館も存続していて、子供たちが通う路に裸の女性のポスターが貼られていたり。別府は、性と障がい者にやさしい町なのです。

②川にグッピーがいる
 別府の河川には、あちこちから温泉が流れ込んでいます。側溝から湯気がたちのぼっている風景ももはや日常です。そのため、川に熱帯魚のグッピーが生息しているのです。たとえば、春木川は、水温が一年の平均で21℃もあります。
 子供たちが川でグッピーをつかまえて遊ぶ、なんていうのも別府ならではの光景です。

③日本語が通じない場所が多い
 別府には立命館アジア太平洋大学(APU)があり、在学生の半数が外国人です。APUの特徴として、日本人は日本人、外国人は外国人でかたまる傾向があり、さらに外国人向けで英語で講義をおこなう授業もあるものですから、日本に留学に来たけれど日本語は話せないという外国人学生が多くいます。さらに、別府市内には外国人が経営している飲食店や企業が、人口10万人の都市にしては多いものですから、そうした場所でバイトをしていると、日本語を覚える必要がないのです。
 さらに、別府の観光客は、多くが中国人と韓国人で、彼らが英語で話すものですから、英語が公用語といってもおかしくはないのです。
 カフェに行ってドリンクを注文するにも、英語で、という場合があります。
 日本にいながら日本ではない、不思議な空間です。それでいて外国にまったく興味がないお年寄りもいて、まさに混沌としています。

 初回なので、今回はこのくらいにしますが、いつかまとめられたら、と考えています。ファッショセンターしまむらと100円ショップが入居する「百貨店」トキハ別府店や、入場料が100円の別府市美術館、50万円で土地付きで売られている一戸建て、うどんとカツ丼が看板メニューの「洋食屋」、全ての本が100円もしくは50円の激安古本屋、贋作と作者不詳の作品ばかりを並べている美術館、朝から裸に風呂桶をもって公営温泉に入りに行く老人たちなど、考え始めたらきりがないほど、別府をカオスと言うだけの材料が揃っています。
 今回はひとまずこのへんで。