2018年2月5日月曜日

ゲンシシャが扱う物

 書肆ゲンシシャでは色々なものを扱っています。
 古写真、絵葉書、古書、新聞、骨董品、そうしたものはある一定の基準のもとに集められているのです。
 今回は、書肆ゲンシシャで扱う物の基準について記します。

 書肆ゲンシシャで扱う物、それは海外でも通用するもの、です。
 今はグローバルな世の中になり、ネットなどを通して、国と国の境目、言語の境界すらもなくなろうとしています。
 そんな中、書肆ゲンシシャは世界で通用するものを蒐集し、陳列しています。
 たとえば、芸者、舞妓、相撲、津波、緊縛、切腹、神風、宝塚、漫画など、海外でローマ字表記にしても通じるものを扱っています。(Geisha,Maiko,Sumo,Tsunami,Kinbaku,Seppuku,Kamikaze,Takarazuka,Manga)
 そうしたものを扱うことで、日本の文化を分かりやすく世界に発信していく拠点にしていきたいのです。
 別府は、スーパーグローバル大学である立命館アジア太平洋大学(APU)があり、外国人が街を行き交う特異な場所です。温泉を求めてやってくる観光客も、中国、韓国をはじめ、外国の方がとても多い。
 そこで、日本の魅力を、柔軟に、幅広く伝えていく必要性を感じました。
 そして、芸者や舞妓などの写真を扱うことで、写真は言語の壁を越えて、人々に美的価値を見出すものですから、より多くの人に情報を発信していくことができるわけです。
 現に、ゲンシシャが展開するSNSのフォロワーは、分析によると、すでに10%の方が外国人です。

 次に、逆に、日本では未だ知られていない海外の文化を日本に紹介する場所としてもゲンシシャは機能します。例えば、死後写真(Post-mortem photography)は、海外のWikipediaには項目があり、私のヨーロッパの友人も自宅にごく普通に保管していたり、キリスト教文化圏では割りとメジャーなものなのです。
 涙つぼ(Lachrymatory)も海外には一定数のコレクターが存在し、市場が成立しているのです。
 そうした日本国内では知られていない海外の文化を輸入し、幅広く発信していく場所としてもゲンシシャは機能しています。

 別府は、もともと温泉地として国際交流を推進してきた都市であり、磯崎新が設計したグローバルタワーもあります。
 そうした街で、グローバルに展開する場所を設立し、情報を発信していくため、ゲンシシャがあります。