2021年3月6日土曜日

いま注目する「NFT」と「Amazon POD」

 最近はネットニュースを見る機会が多くなり、様々な情報を得ています。

 コロナ禍で家にこもる人が増えるなか、同じような環境で過ごす人も多いのではないでしょうか。

 

 先日、ネットを見ていると以下のようなニュースを見つけました。

バンクシー作品「こんなクソ作品を買うお前らのようなバカがわからない」が焼却されNFTトークン化 来週競売に 

 良かれ悪かれ、時代を先取りするバンクシーが、「I can't believe you morons actually buy this shit(こんなクソ作品を買うお前らのようなバカがわからない)」という言葉が書かれた「Morons(能無し、ばか)」という題の作品を焼却し、ノンファンジブル・トークン(NFT)にしたということ。

  NFTについては以下の解説記事をご覧ください。

世界で人気高まるデジタル資産──5分でわかるNFT 

 デジタル資産であり、高価格で取引され、偽造や改ざんの可能性も限りなく低い。

アーティストにとっては、オークションハウス(競売会社)やギャラリーを介さずに、デジタルのかたちで作品を世界中の買い手に直接販売することができるため、収益の大部分を手元に残すことができようになる」

  魅力的ではないですか。

 

 もうひとつ、「Amazon POD」が誰でも利用できるようになったとのニュース。

 「Amazon POD」の解説記事は以下を参照してください。

誰でもAmazonで本を出版できる「POD」。初期費用もランニングコストもタダで販売が開始できます

「PODのメリットは、

  1. 印刷費用などの初期費用0
  2. 売れた分らその都度印刷・発送するのでランニングコスト0
  3. 決済・発送などの出版後の業務はすべてAmazonが行う
  4. Amazonで流通することで露出機会を得られる
  5. 読者はAmazonの便利なサービスを利用できる

といった点が挙げられます。」

 とのこと。 このサービスを利用することで初期費用ゼロで誰でも手軽に本を出せるようになります。

 

 上がることが十分想像できたビットコインを買わなかったことを悔やむこの頃。

 新しいサービスが次々とあらわれる状況に、追いついていかねばなりません。

2021年2月8日月曜日

創造県おおいた

  『アートの創造性が地域をひらく』(ダイヤモンド社)という本を読みました。


 

 別府市をはじめとする大分県は、アートによる地域活性化に力を入れています。

 この本に関わる日本政策投資銀行は、過去にも現代アートと地域活性化~クリエイティブシティ別府の可能性~」と題する調査研究レポートを提出しています。このレポートについては藤田直哉『地域アート』(堀之内出版)でもふれられ、アートによる地域活性化を行う上での問題が批判的に捉えられていました。

 さて、この本を読んでわかることは、大分県におけるアートに大分の代表的な経済人が参加する大分経済同友会が密接に関わっていること、「おんせん県」と「アート県」を二本の柱とする観光振興が行われていることです。そして「創造県おおいた」を掲げ、戦略を練っています。

  別府市ではNPO法人BEPPU PROJECTによる「in BEPPU」「ベップ・アート・マンス」が実施され、大分市では「おおいたトイレンナーレ」が実施されたほか佐賀関と野津原という郊外の廃校になった小学校を使ったアートスペースを設け、竹田市では「竹田アートカルチャー」が実施、「国東半島芸術祭」も実施されました。この一連の動きには大分県全域をアートで活性化する「アート県」構想があるのです。

 近頃は、『家、ついて行ってイイですか?』に別府市のアーティスト・イン・レジデンス「清島アパート」が登場し、同じく別府市にアートホテル「ガレリア御堂原」が完成し各メディアに取り上げられています。

 「edit Oita エディット大分」という大分の「旅行、お風呂、アート」をフリーアナウンサーの宇賀なつみさんがレポートするポータルサイトもできました。

 2018年に実施された「アニッシュ・カプーア in BEPPU」のアンケートで判明したように、別府市内では「別府=アートの町」という概念が浸透してきているものの、大分県外ではまだその概念が共有されていません。しかし、メディア戦略を駆使することで、「別府=アートの町」、ひいては「大分=アート県」という概念をより多くの人に共有してもらおうという試みなのでしょう。

 また、大分県は障がい者アートにも力を注いでおり、2019年に「おおいた障がい者芸術文化支援センター」が開設されました。別府市内でも、福祉施設が続々と障がい者アートに参入してきています。

 大分県がこれほどまでにアートに力を入れていることをご存知でしたでしょうか。東京都内でも「東京ビエンナーレ」が実施されるなど、アートによる地域活性化は全国いたるところでコロナ禍の中でもさらに勢いを増しています。 そんな中での大分県の前進をぜひ見守っていただきたいと思います。

2021年1月18日月曜日

書肆ゲンシシャの2020年

  しばらくブログを書きませんでした。なぜかというと、ひどい鬱に悩まされていたもので、まとまった文章を書くことも億劫になっていたからです。

 2020年は、新型コロナウイルスの蔓延で、今までにない波乱の年となりました。 

 そんな中、書肆ゲンシシャの来客はどのような推移をたどっていたのか。今回は、私でしか書けない、そして事実に即した内容を書き留めます。

 2020年は、当初からお客様の数が多く、特に大学が春休みとなる2,3月は、申し訳なく思うものの、店から溢れんばかりの来客がありました。中心はもちろん大学生、若い女性、なかでも東京からのお客様が多く、次に大阪、福岡と続きます。

 4月になると、緊急事態宣言が発出される直前まで、東京からの来客が続きました。中には政府関係者のご子息もいらっしゃり、内部情報を聴いたりしたものです。緊急事態宣言が発出される直前に、ゲンシシャは臨時休業しました。

 5月になると、持続化給付金を受け取り、これでしばらくはしのげるとほっとしたものです。コロナの影響で閉店された他店から本を譲り受けました。今でも大切に扱っております。

 6月となり、ゲンシシャは営業を再開しました。しかし、まったくと言っていいほど、来客はありませんでした。近隣にお住まいの常連のご高齢の方は、コロナを理由に来店を躊躇され、大分県内を中心とした方々に支えられました。

 7月となり、東京での大きな仕事も舞い込みましたが向こうの現場で陽性者がでたため、キャンセルとなりました。まもなくGO TO トラベルが始まり、徐々に県外のお客様も戻ってきました。

 そう、このGO TO トラベルが、ゲンシシャにも大きな影響を及ぼしました。日に日にお客様の数が増え、例年でも8,9月は大学が夏休みとなるため多いのですが、10月になってもまだ増え続けました。知人に言わせると「毎日がゴールデンウィーク」。はっきり言いますが、店頭での売上は例年以上、かつてないほどのお客様がいらっしゃいました。それも多くが東京からのお客様、中には北海道からいらっしゃった方もいて、この動きが11月まで続いたものでしたから、体力的にはしんどいところもありましたが、賑わい、売上が大きく増えた期間となりました。

 12月になると、東京からのお客様がまた減少しました。かわりに、大阪と福岡からの来客が中心を占めるようになりました。年末が近づくにつれ、帰省客が増え始めると、また東京から来店される方もみられました。

 2021年初めての記事となる今回は、まず2020年の様子をゲンシシャの来客という観点から綴りました。こうしてみると、やはりゲンシシャに興味がある方が東京に多くいらっしゃることを実感します。その方々がGO TO トラベルを契機として別府までいらっしゃったことに感謝いたします。

 二回目の緊急事態宣言が発出され、気が抜けない状況ですが、 存続をかけ、精進してまいります。