2018年7月7日土曜日

別府は地方都市なのに車がなくても生活できます

 今回は、別府の交通事情について、お話しましょう。
 まずは、表題の通りです。別府は、温泉地として飛行機や電車を使って訪れる、主に外国人の観光客が多いため、車を所有していなくても、バスを使うことで大抵の場所に行くことができます。
 特に、観光地として開発されている、別府駅前エリア、鉄輪エリア(地獄めぐりがあるところ)は、公共交通機関が発達していて、自由に動き回ることができます。

 ところが一方で、別府も地方都市の例にもれず、モータリゼーションの進展により、大型店舗の郊外化がすすんでいます。ニトリや、安売りスーパーなどは郊外にあります。
 別府で家庭を持っている人々は多くが車を所有し、車を使って移動しているのです。

 なので、観光客と別府住民では、基本的に見ている地域が異なるのです。
 観光客にとって別府は、湯けむりが立ち上る地獄めぐりが有名な、昔ながらの風情が残る町というイメージですが、別府住民にとって別府は、 郊外のショッピングセンターやチェーンのレストランのイメージなのです。
 ここでイメージの齟齬が生まれてしまう。

 東京など大都市からの、例えば私の周りのアート関係で別府に来た移住者は、別府でも徒歩とバスで生活しているケースが多く見受けられます。
 それに対して、私も別府が地元ですから、幼い頃から別府で暮らしてきたかつての同級生たちは、車を使って移動しています。
 同じ別府に住んでいても、二方のライフスタイルは、全くといって異なるものになっているのです。

 ゲンシシャを経営していてもこのことは実感します。観光客としていらしたお客様は、もっと駅に近いところに移動してほしいと仰られ、別府市内からいらしたお客様は、郊外の駐車場が広いところにあるといい、と仰られるのです。
 このバランスがなんとも難しいところです。結果、ゲンシシャの客層は観光客が多いので、駅に近い場所に店を構えています。
 たまに、車でしかいけない場所にある店に行くと、普段見かけるのとは違う感じのお客さんたちがいて、新鮮な気分を味わえます。

 今回は、交通手段に関連したお話をさせていただきました。同様の事は大分市でも起きていて、駅前にある中心部の商店街を使う客層と、郊外型のショッピングセンターを使う客層では、趣味や嗜好が異なるという話をよく聞きます。
 同じ町にいくつもの顔が生まれるのも、また面白いところです。