2018年10月21日日曜日

「アニッシュ・カプーア IN 別府」中間報告

 「アニッシュ・カプーア IN 別府」が10/6から始まりました。
  テープカットには、別府市長に加え、国会議員も参加し、意気揚々と開始されました。ちょうど三連休にはじまり、連休の中日となった10/7には、グッズ販売もあわせて、主催するNPOはじまって以来の売上を記録し、幸先の良いスタートになりました。テープカット自体も台風の影響で危ぶまれていましたが、無事に行うことが出来ました。
  ただ、アニッシュ・カプーア自身がイギリスから講演会のため別府を訪れる予定が、「家庭の事情」のためキャンセルとなり、現場は対応に追われました。

 今回のカプーア展は、全体で100万人が参加する予定の国民文化祭のプログラムのひとつとして実施され、累計6万人が来場する予定です。
 しかし、この6万人という数字はやはり少し無理があったようです。平日の来場者は60人ほどということで、休日に増えることを考えても、6万人というのは達成できそうにありません。ただ、無料で観覧できる「Sky Mirror」に関しては、たとえば一人の観客が一度遠くまで歩いてまた近づいてきた場合、二回カウントする仕組みになっているので、その分、累計来場者数は増える見込みです。

 『美術手帖』『美術の窓』『アートコレクターズ』など、様々な美術雑誌で特集が組まれ、主催するNPO法人の代表は朝日新聞でも大きく取り上げられました。それでも、やはり別府という土地が遠いのか、集客は想像以上に厳しい、というのが現実です。
 大分県内ではニュース番組で特集されるほか、CMも流れていますが、どのくらい効果があるかは未知数です。新聞でも度々取り上げられています。
 ただ、今後、NHK「日曜美術館」でも特集が組まれ、さらなる来場者の増加は考えられます。今回のカプーア展には、一億円以上の資金が、別府市役所、大分県庁などからの税金も含めて支出されており、なんとか集客を増やしたいと策を練っています。
 日没時間が早くなるにつれて、今後、開場時間を30分ほど前倒しする予定です。

 別府市民の反応はというと、私の周りに関して言えば、やはり税金が支出されていることから、経済効果はいかほどか、とか、果たして投入した資金は回収できるのか、とそうした面からの批判が多く、アート作品自体の面白さに言及される機会が少ないのが残念なところです。

 別府公園で同時期に開催された、10/13、14の農業祭の方が圧倒的な集客力を誇り、屋台の煙がカプーアの鑑賞をさまたげている様子が、いかにも別府らしい、現実を反映した風景でした。
 果たして「アートの町」別府という認識は根づかせることができるのか。後半戦にかかっています。