今回は、自営業者の生活について、実体験をもとに書きます。
小売業を営む個人事業主の生活の実態です。
特に会社員を辞めて事業を始めようという方に読んでいただきたい記事です。
①自営業者にとって最も大事なのはコミュニケーション
会社の人間関係が辛いな、自営業者なら自由に自分の思い通りに仕事ができるから、と考えている方。その考えは間違っています。
自営業になって感じるのは、とにかく飲み会の多さ。同業者、または同じ地域の自営業者、はたまた異業種交流会など、一週間のうちに何度も飲み会があります。
そこで名刺を配って営業をかけるわけです。自分の存在を知ってもらわなければ、自分の店の存在を知ってもらわなければ、仕事がそもそも舞い込みません。
生死がかかわっていると言っても過言ではないのです。
また飲み会以外にも進んで異業種の自営業の方の店に顔を出し、自分のことを覚えてもらうことが大事です。とにかく自分を売り込まなければいけません。
なぜなら、地元の情報誌や、情報サイトに載せてもらうためには、そのまとめ役の人間に気に入られる必要があります。そこで、飲み会においては自分のことを上手にアピールし、自分を売り込むことが求められているのです。
また、会社においては、企業内に派閥があることが多いですが、それは自営業者の世界でも同じです。
たとえば商店街なら、必ずその商店街の重要人物が何人かいて、その方たちが派閥を形成しています。どこの派閥に所属するかで、店にどのくらい集客があるのか、大きく差が出るのです。
テレビのCMをバンバン打てるだけでの経済力があるのならまだしも、口コミなどが求められる場合、特に大きな派閥に所属し、自分のことをより多く話してもらうことが大切なのです。
もし逆に、派閥を脱退しようものなら、ゴミ出しから、仕入れに関するまで、様々ないやがらせを受けることになります。
あの店は◯◯派だから、やめておこう。あの店は同じ派閥だからよく顔を出そう。
小さな個人経営の小売店の場合、お客様も同じような個人事業主である場合が多い。となると、派閥の中の力関係を重視することが大切です。派閥の領袖に気に入られ、グループの一員であり、なおかつ存在感をみせることが重要なのです。
②公私混同は当たり前
会社員の場合、仕事の場合とオフの場合とで顔を使い分けている方も多いのではないか、と思います。
その点、自営業の場合、仕事とオフの差がない、言ってしまえば24時間仕事をしているという緊張感を保ちつづけることが求められます。
自分自身が店の看板を背負って町を歩いているようなものですから、たとえば喫茶店にいても、あ、◯◯という店をやっている方だ、ということで、◯◯の店長が喫茶店に来ていたよ、と次の日には噂になってしまうのです。これは私が事業をしているのが地方都市だからかもしれません。
服を買うのも、食材を買うのも、常に周りの人々に見られている意識を保たなければなりません。そして、たとえ噂になってもよいという心構えが必要なのです。そのためには、いっそのこと周りのことは気にしないと割り切ってしまうか、あるいは常に清潔に保つことが求められるのです。
ことさら気にしないといけないのが、色恋沙汰。前のパートナーが誰で、その前は誰で、今は誰だ、と周りの人々に完全に把握されています。隣町、いやそれでも足りない、隣県の相手と遠距離恋愛でもしないかぎり、必ず共通の知人がいて、そこから噂は瞬く間に広まってしまうのです。
ですから、国会議員や俳優のように、身辺は常に清潔にしておくことが求められます。一度不倫などあやまちを犯そうものなら、一生その噂はついて回ります。
③まとめ
ついつい一つの話題が長くなったので、項目が二つしか作れませんでしたが、まとめますと、自営業者は常に顔を売るよう心がけれなければならず、だからこそ身の回りは清潔に保たなければならない、ということです。フリーランスで活動している方なら共感されると思います。
会社員の方にひとつ忠告したいのは、会社をやめて自営業を始めると、世間全体が「会社」になるということです。 オンオフを切り替えて活動したい場合はサラリーマンを続けましょう。全ての責任を自分で背負うことこそが自営業者に求められる素質なのです。